「耳をすませば」の様な二人乗りは、私の夢であり青春でした。そして「絶対にフラれない告白法」はすごい。

 

今週のお題「恋バナ」


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たまに思い出して懐かしく思う彼がいます。初恋の彼ですと言いたい所ですが、そうではなく、初めてお付き合いしてもらった彼です。付き合い始めた頃や、別れた頃になると特に思い出してしまう。なのでこの溢れ出る思い出を書き残す事にした。少し整理もしたいし。

こんな「え、誰得?」という内容を、一人で感傷に浸りながら書きます。よろしければお付き合いください。

 

好きなんだと自覚

彼と付き合っていたのは、高校2年から3年の8ヶ月でした。けれど知り合ったのはもっと前で中学2年の時。

学校ではそんな話したことないけれど、メールを頻繁に送り合う仲でした。部活の話や、面白いチェーンメールを送りあったり、好きな音楽の話をしたり、受験頑張ろうとか、基本他愛もない内容だったけれど楽しかった。

 

彼の事が気になり出したのは、高校が決まり、落ち着いた頃。

高校が違うから、これからは顔見れないのか。声もどんなだったか忘れそうだな。そんな事を思うと、少々乙女チックですが、胸が少しキューっとして、無性に会いたくなりました。ああ、彼の事が好きなんだなと自覚。始めに初恋ではないと言ったけれど、本当はこれが初恋というやつなのかもしれないとも思った。

高校生になったら連絡途絶えるかもと心配だったけれど、変わらずメールをちょくちょく送ってくれる彼に安心したし、ますます気持ちが募りました。

 

そんな感じでメールのみの関係を続けていたわけですが、高校2年の初夏に衝撃を受ける出来事がありました。

 

1年半ぶりの彼

二人で花火しよう!という話をしていたら、花火が売られ始めた時期に本当にすることになりました。

私にとってはこの時点で衝撃でした。本人目の前にして話した事さほど無いし、男の子と二人っきりとかもっと無いし、いやもう何より好きな人と二人っきりとか!うわ、どうしようとすごく焦った。同じくらい嬉しいと思っている自分もいましたが。

そうこうしているうちに当日を迎え。私の家付近の田んぼで花火をすることに。夜外に出るわけだから両親にはちゃんと言ったと思う、たぶん。

彼は私の家を知らないので、近くの小学校で待ち合わせしました。向かう時ドキドキでした。1年以上ぶりに会うんだと思うと緊張する、第一声何て言おう、とか色んな事を考えながら暗い道を小走りで向かいました。

 

着くと、すでに校門に誰かいます。

こんな時間にいるんだから彼だろうと思って近づいていくと…あれ、何だか違和感。変だなぁ怖いなぁ的な展開ではないんですが、ここで本当の衝撃の出来事が。

なんと彼、身長が伸びて別人に!

そのせいで、あんなに悩んだのに第一声「誰かと思った!」もう台無しです。

 

聞けばこの1年で20cm以上伸びたとのこと。165cmの私よりずっと低かったのに、もう私が見上げなきゃな高さ。

違和感はこれだったわけです。あれ?こんな高かったっけ?ていう、近付くほどにハテナマーク。

そして目の前にして、ハートマーク。←

しかも、声変わりまでしてた。あんなに声は高かったのに、男性らしい声になっててさらにときめく。何やねん…この少女漫画的展開。と心の中で悶えた。

 

彼は自転車を押して、私はその横を歩いて田んぼに向かいました。照れ隠しで「成長痛あった?」とか場の雰囲気に合わない質問をしまくってた。

かっこ良くなったね!とは言った。私の気持ちは悟られたくないけど、昔の彼を知っていれば誰でも言うはずと思ったから。

心配だったけど、最初から案外普通に話せてたと思う。

花火は手持ち花火のみ。広い田んぼ道の端の方でこじんまりとしました。彼との距離がけっこう近くて緊張した。火の分け合いってこんなドキドキしたっけと戸惑う。

花火をしている間は音が賑やかでお互いの顔が見えて。でも消えると見えないし、カエルの鳴き声がたくさん聞こえる。消えた時に会話も途絶えてシーンとなる時もあったけれど、焦りはなかった。この静けさも何かいいね、と確か話した気がする。

帰る頃にはだいぶ身長にも声にも慣れた。

私はどう思われていたか分からないけれど、彼はメールの時より大人しいなぁと思った。

家の前でバイバイした後、さっきの時間を思い出してニヤニヤしながら花火バケツ片付けてました。

 

見た目までタイプになってしまった彼をさらに好きになってしまった私ですが、その後も変わらず普通のメールのやりとりをする日々。実際の今の私を見て嫌われたりしないかと不安でしたが、彼も変わらずなメールで安心しました。印象は悪くなかったご様子。

 

気持ちを伝えたい

今で十分楽しい。この片想いの時期が一番楽しいんだよと友達も言う。

だけど、やはり、この気持ちだけでも伝えたいと強く思うようになりました。だめでも構わない。もし受け入れられても、付き合うって何なのかよく分からない。けれど、好きなものは好きなんだ!そんな風に考えてました。

恋に夢見る女子高生です。当たり前ですが、一部始終友達に話していました。そしてその友曰く、彼はお前に脈ありだとの事。うん、自分でもそうかもなと思ってはいる。でも絶対ではない。告白しない事には分からない。

うむ、ならばしよう!と意気込む。わりと行動派だなと自分でも驚いた。

 

決行は彼のバースデー。学校終わりに会う約束をしておいて、プレゼントを渡し、告白をするまでがミッション。成功確率は五分五分。私のメンタルと思い切りにかかかっている。

もはや、いざ勝負!みたいな気分だった。

 

決戦当日

寒い冬の下校時間。

「行って参る・・・!」と友達の声援を背中に受けながら、一人でガクブルしながら出陣。

彼の最寄り駅で待ち合わせしました。会うのは久しぶりです。たまに通学電車で見かけることはあったけれど、直接会って話すのは夏の花火以来だ。

 

駅に着くと彼はいた。制服姿だ、おお…。私も制服だったので、夢の制服デートのようだ。今日もしダメだったとしても悔いはないな、いい経験になりそうだと何かすでに嬉しかった。

プレゼントはすぐ渡したと思う。喜んでもらえてこっちのが嬉しかった。

この日は小雨まで降っていて、すごく寒かった。でもまだミッションクリアしてないし、何よりもう少し一緒にいたかった。あてもなく歩いて、神社で雨宿りしながらコンビニで買ったお茶を飲んだりした。色んな話もした。制服だから私はスカートなわけでほんと寒かったけど、楽しかった。

 

遅くなるのはまずいので、そろそろ帰る事に。ミッションクリア出来んかったわ、すまんみんな…と思っていた。しかし駅に着くと、彼が「やっぱり家まで送る」と言ってくれた。もちろん最初は断ったけれど、内心すごく嬉しかったのでお願いすることに。(ちなみに、私の最寄り駅は彼の隣の駅です。)

 

帰り道、いつ告白したらいいかタイミングをずっとはかっていました。そのせいで会話がなかなか続かなかった気がする。シーンとする時間が多い。雨の音だけが聞こえるのがさらに緊張します。傘を差しているから彼との距離はあの花火の時より遠いのに、心臓がとにかくやばい。寒さで体は冷えきっているのに、心臓だけ熱かった。

道路沿いを歩くときは一列になった。自転車を押しながら傘をさして前を歩く彼の後ろ姿をずっと見ていた。

顔が見えない、今なら言えそうかも・・・と思い、その大きな背中に向かって口を開くも、言えずに下を向いて歩き続ける。その繰り返しだった。

そうこうしているうちに家に着いてしまった。最後のチャンスだ!と、彼にお礼を言いながら、改めて顔をみる。だが照れてしまって、やはり言えなかった。

変な間ができてしまった。

帰り道は口数も減ってきていたし、きっと私が疲れたんだと彼は思ったようで、「じゃあまたね」と、早々に帰ろうとしました。

自転車を漕いで去っていこうとする彼を見たら、無性に寂しくなって、つい「あの!」と呼び止めてしまった。

彼はびっくりして止まってくれた。何で呼び止めたんや自分と呆れながらも…もう言うしかない。覚悟ができた。

 

少し距離がある。雨も降ってる。

ちゃんと聞こえるように大きめな声で、

 「好きです!」

しばしの間。

 

彼は少し困ったように笑いながら、頷いていた。

言い切れたと思った私は、

「それだけ!ありがとう、じゃあまた!」と送り出す。そして彼は帰っていった。

 

家に帰り、お風呂に入り、ご飯を食べて、布団に入っても、まだドキドキしていた。言うてしまった。しかしこの時の私は、やってしまったことにはまだ気が付いていない。

(思った以上に声が出てしまった、お隣さんに聞こえてたら恥ずかしい、どうしようやってしまったとは思ってた。)

人生初の告白やっと出来た…!ミッションクリアしたよみんな…ありがとう!という気持ちでいっぱい。いやお前、まだラスボス倒してないよ?と、この時の私に伝えたい。

 

彼からの返事

次の日、学校でみんなに「言えたー!」と報告。

すると案の定「で、付き合うん?」と聞かれた。ここでようやく気付く。

・・・あ。言うの忘れてた・・・

私なんかと付き合って下さいって、おこがましいよなとかも思ってたから、言い忘れたみたいです。気持ち伝えてすっきりして満足してしまった。

言い逃げかーい!と笑われた。ほんまそれな・・・。

家に帰ってからもメールを送れないでいました。なんと彼に詫びを入れつつ、なんと言い出せばいいのか・・・。もやもや悩んでいると、彼からメールがきた。

 

「昨日はありがとう。いきなり言われて驚いたけど、俺も前から好きやった。」

 

 すごい嬉しかったです。布団に突っ伏して、あああああ゛~~~!!とか言うてた。

しばらく悶えた後に、「じゃあ、お付き合いお願いしてもよろしいんですか?」と、なぜか敬語で返信し、「こちらこそよろしくお願いします」と言ってもらえて、晴れてお付き合いすることになりました。

 

めずらしい付き合い

世の高校生カップルっぽくは無かったと思います。

休日に遊びはしましたが、デートというか、散歩。私が散歩が好きだったので付き合ってもらっていました。私の家の周りだったり、彼の家の周りだったり。

彼の飼い犬くんと散歩したこともありました。

私は一緒にいられるだけで満足だったので楽しかったけど、彼はその時どうだったのかはわかりません。

一度だけ彼に誘われてプリクラを撮ったこともあります。密室!近い!狭い!すごく緊張して落ち着かなかったです。昔からプリクラは苦手です。

あとは彼の部屋で話したり、テレビを見たりしてました。

二人乗りは青春だ

帰りは必ず彼が自転車で送ってくれました。夢の二人乗りです。※いい子は真似したらだめですよ。←説得力ゼロ

初めて二人乗りしたのは確かクリスマスだったと思う。重いし、大変だからいいよ!って毎回断ってたんですが、この日は押し負けしてお願いしました。

彼は身長はあるけどけっこう細身で、私と体重そんなに変わらないんじゃね?ってくらいなんですが・・・荷台にお邪魔して見える、彼の背中の広さにときめきました。告白した時も思ったけど、でも間近で見るともっと広くて、ああ男の人なんだなぁと思った。

手をどうしたらいいのか分からなかった。でも私がフラフラしてたら共倒れになる可能性もあるし、けっきょく肩をつかまらせてもらった。

二人乗りはやばいと思いました。交通ルール抜きでもやばい。距離近いし、彼の匂いがするし、彼が自分を支えてくれていると思うと、緊張と嬉しさで何か吐きそうだった。

 

この日以降、お約束のように毎回乗せてくれました。回数を重ねるごとに緊張は減って、幸せだー!と思えるようになった。会話がなくても嫌じゃなかった。

今思い出しても、帰り道が一番幸せを感じていたかもしれない。

いい思い出がたくさん

月に3回会えればいいほうでしたが、とても楽しかった。メールは毎日数通。電話は料金が高いからたまに。家電で電話したのがバレて母に怒られたりしました。笑

深夜にこっそり電話するのってなんであんなにワクワクするんですかね。でも今すぐ会いたくなるから困るんですけどね。

雪の日に外で雪遊びもしました。漫画やCDを貸してもらったり、バレンタインにはチョコを渡して、手作りのお返しも貰ったり・・・この辺は世のカップルっぽかったかなぁと思います。初々しかったなぁと思う。

 

1つ複雑だったのが

重い私を自転車に乗せてまでしてくれるのに、サービス精神旺盛なのに、性欲強いと言われる高校生なのに、一切手を出してこられなかった事です。

手を繋いだことはあります。二人乗りで腰に手を回したこともあります。家族のいない家に半日以上遊びに行ったこともあります。でもいつもキスさえなかった。

大事にしてくれているのかもしれない。お互い経験ないからかもしれないけれど、すこし複雑で不安でした。いきなりガバーっと来られても怖いけど。5ヶ月過ぎたあたりからおかしいなと思い出しました。でも悩んでも分からないし、私からキスしてー!とかは恥ずかしくて言えなかったのもあり、まあいいかと過ごしてました。

よく友達から「どこまでいったの?」と聞かれていました。たぶん彼も聞かれていたと思う。

別れた原因の一つはこれだったと思う。手を出させてくれない女だと思われていたんだと思う。

結果、8ヶ月目でフラれました。

 

以前、フラれた理由はちゃんと分かったわけですが、

sige0412.hatenablog.com

それでも肉体関係も原因だったと思っています。

 男は結局体目当てなんでしょ?なんて事が言いたい訳ではない。いやまぁ、好きな人とくっつく事が出来なかった寂しさはあるけども…。でも、むしろ私は、体の関係が無くとも一緒にいてくれる彼が好きでした。 熟年夫婦かよって感じですが。

 

「結婚してくれるー?」とか、散歩しながらふざけて聞いた事もありました。「うん、しよかー」と彼も返してくれたりして。

それだけで嬉しかったし、本当に結婚したいなぁとか思ってました。

初恋は甘酸っぱい

まだまだ思い出はあります。ちょっとしたことが大半ですが。

あの時こんな事言ってたとか、初めてギターを弾いてくれた時の様子とか、新しい一面発見した時の事とか…

10年たってもこんなに覚えている自分に自分で引いてます。笑

初めてってやっぱり印象強いんだろうな。

あとは、前も書いたけど、ピュアだったからこそ覚えているのかもしれません。

…まぁ私の場合、人生でこの彼と夫しか付き合った経験がないのが一番の理由ですがね!ハハハ!

 

何だかんだ恋は楽しい

好きな人の事で頭がいっぱいになる感覚はなかなかいいものです。まぁ、他人に振り回されてるともとれますがね。でも、ドキドキワクワクする感じがたまらなかった。

フラれるのも悪くないもんです。ワンワン泣いて少女漫画のような今の状況を楽しむといいです。…とか、謎のアドバイスをしてみる。笑

 

高校生という貴重な時間に青春という貴重な経験をさせてくれた彼には感謝しています。今でもいい思い出です。たまに思い出してふふっと笑ってます。

彼もたまに思い出して、さらに笑ってくれてたりしてら、すごく嬉しいですね。

 

絶対にフラれない告白法

 
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私が彼にした「言い逃げの告白」

後から知ったんですが、この方法はなかなか良かったらしい。

なんと、「絶対にフラれない告白法」だったのです。私は、はしょりまくってましたがね;

 

本当の手順は

①「好きです」と気持ち伝える。

②「こんな気持ちにさせてくれて、ありがとう」と、感謝を伝える。

(余裕があれば)③「ふたりの時間が増えたとしたら、私は、さらに幸せです」など、期待を伝える。

 

そして放置プレイ。とっとと帰ります。笑

 

人はコントロールされるのが嫌いなので、付き合ってください!や、友達からお願いします!などの要求は入れずに伝える。

 

すると、何も求めてこられなかった為に、相手はあなたの事が気になり始める。

効果が高ければ相手から連絡が来る事もあるそう。告白の成功率も上がる。

 

ただこれは絶対ではない。もちろん、気にならない場合もある。けれども大丈夫。

付き合ってほしい!など何も要求はしていないので、フラれる事は絶対に無い!

いやはや素晴らしい!

 

私は①の後に即、放置プレイしたわけです。笑

でも相手から連絡きたし、彼に後から聞いたら「気になってしょうがなかった」と言っていました。放置プレイすごい効果だ…

私のようなチキンハートにはもってこいの方法でした。

 

もし今、告白に踏みとどまっているそこのあなた様!

気になるあの人へ「ありがとう!」と感謝の気持ちで告白してみるのもいいもんですよ。